小室哲哉氏が容疑者へ、印税で儲け、投機で失し、詐欺を働く。
まるで、平家物語の盛者必衰の理の現代版を見ているようである。確かに、小室容疑者が手がけたアーチストや作品は、ことごとくヒットし、そのつど、莫大な印税が彼の懐に飛び込んできたのは、事実である。たまたま、著作権制度があり、それとレーベルもアナログからデジタルへ変換したころで、複製という作業が、スピーディに成し遂げられる時期だったのが重なり、瞬く間に、彼の作品が、日本全土に浸透していったのである。熱し易く冷め易いといっても、その当時は、彼が作り上げた作品が日本人の中には、斬新と映ったのである。そして、彼が作り上げた多くのメロディとリズムは、飽和するまで、吸収されたのである。たまたま、それが飽和するまで、小室哲哉容疑者の作品は時間が掛ったのである。そのため巨額な富が毎年彼のところへ集まったのである。音楽でも絵画でも小説でも、すべてに、大衆によって飽きるまでの飽和時間があるのである。未来永劫、世に出す作品があたることなどない。人には、個性があり、特に芸術作品をだすにあたっての引き出しが個人にはある。それが豊富であっても、個人であるかぎり、必ず物事を見る視点があるし、パターンは存在する。どこかで、限界は存在する。どこかで、飽きられるときがくるのは、避けられないのである。
歌ものは、基本的に、はやり歌なのである。斬新と思っていたものも、直ぐに、なれてしまう。将棋の戦法と同じで、斬新なやりかたも、それに目がなれてきたら、そんなものかで終わってしまうのである。飽和時間だけの問題となる。残念ながら、今の時代では、はやりものでしか、商売ができないのが現状である。はやらなくても、いいものはある。じっくりと聞かせる演歌もある。しかし、売れない。売れるためには、莫大な広告宣伝や大衆の嗜好を変化させるぐらいの世界的な仕掛けが必要になる。演歌的なものを広げたいなら、アメリカやヨーロッパに、その演歌的なリズムの曲をヒットさせ、そのリズムが潮流だと認識させれば、今度は、演歌が主流になる。演歌歌手や演歌的なメロディーを得意とするプロデューサーが、そのときは、第二の小室哲哉容疑者になるだけである。
独善になるのが、アーチストや技術屋の傾向である。それを是正し、大衆(ユーザー)と調和させるのが、営業やマネージャーの仕事である。アーチストや技術屋は、大衆には迎合したがらない。自分の作品や技術が、世界一だとうぬぼれる。もちろん、その自信がなければ、世の中渡っていくことはできない。それはそれでいい。問題は、ある程度、世の中に売れて浸透し、それに、飽和が来たときにどう対処するかの問題になるのである。必ず飽きられる。同じパターンは、2回までで、3回同じ事をやると、うざったいと思われる。一流の芸人は、そのとき、視点移動し、大衆に迎合し調和を図る。大衆に受けるには、どうしたらいいかを考える。それが出来る人が、一生、トップにいる芸人やアーチストである。
小室哲哉容疑者は、どうやらそれが出来ない人だったのだろう。逆に言えば、どこからか、裸の王様になっていたにちがいない。金の切れ目が縁の切れ目が世の中である。彼に巨額なお金がある内は、右顧左眄し取り入り、彼の資産が目減りしていくにつれて、一人去り、二人さっていったのだろう。
悪銭身につかずが、世の中である。自分の能力以上の過分な利益は、どこかで失うものである。ギャンブルで得たお金は、やはりギャンブルで失うのが世の中である。小室哲哉容疑者も、たまたま、印税制度と大量に短時間に廉価で複製が出来る時代にいたため、しかも、彼が作り出した音楽が、斬新と映ったため、数年の間に、巨額の富が彼の懐に入っただけである。やはり、過分の利益である。だから、投機性での過分の利益は、なくなるのである。そして、その穴埋めのために、詐欺を働いて、お金を搾取したのである。
残念ながら、今日から、しばらくは、小室哲哉氏は、小室哲哉容疑者として呼ばれる。逮捕容疑は、5億円詐欺である。過分に利益が入った。それで、事業を拡大した。それがはじけた。借金が残った。その借金の返済期日がせまった。それで、詐欺を働いて金をとり、その借金の返済に充当した。間違いなく、詐欺罪で起訴され、執行猶予はつくかもしれないが、有罪は免れないだろう。容疑者から、被告へと呼び名が変わる。これで、小室哲哉容疑者から、すべての取り巻きは去っていく。これから、色んな情報が芸能記事として、内部にいた人からどんどん出てくる。徒然草ではないが、人のおぞましさが話題に上る。そのゴシップに人が群がる。現代版の栄枯盛衰の事例を見るようで、気分が滅入る。
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