自縄自縛のアメリカ経済、とんでもないことが起きている。

 アメリカの金融危機が、とんでもない方向へと加速している。とんでもないアメリカ経済の象徴だった巨大金融体制が、がたがたと崩れ掛けている。日本がバブル崩壊後の金融不安なとき、巨額な公的資金を銀行にいれた。そして、日本の金融の淘汰と再編を推し進めた。その結果、銀行、証券会社も、合併・合併を繰り返し、それぞれが、ファイナンシャルグループを形成した。大きな幹とそれぞれが成長した。

 

 経済は、あくまで、需要と供給である。名目と実質との乖離がないほど、健全である。もともと返済能力のない人に、お金を貸したらどうなるか、だれでも、分かることである。返済不能、貸し倒れであり、それが不良債権となる。もともと、不良債権に近いものを、いろいろなオプションや条件付けの債権に絡ますように分散させて、その債権を他の国の金融機関に買わせていたのである。それが、サブプライムローンである。それが、連鎖反応的に、不良債権化が明確化されたのである。そう、もともと、返済できないところに、融資したのであるから、こうなるのは、必定である。ある意味、日本の金融機関はラッキーであった。国内も、バブルの後遺症とその教訓から、貸し倒れを極力おそれていた。本来は、融資すれば、利益がでるところにも、二の足を踏んで、貸し出しを渋っていたところであった。あるいみ、貸しはがしまで、おこなって、市場から、金を回収していた。ある意味、日本経済が、こうなるのは、当たり前であった。そして、日本人は、律儀な国民性なので、企業も、借金はちきんと返済していた。それが美徳と心得ていた。だから、日本の金融機関には、金があったのである。そして、サブプライムローンの損失が、他の国々の金融機関に比べて、圧倒的に少なかったのである。そのため、他が一気に落ちたから、日本の金融機関の存在が増したのである。

 

 三菱UFJファイナンシャルグループが、22日にアメリカ大手証券会社のモルガン・スタンレーに出資し、野村ホールデングスも、経営破綻した、アメリカ第四番目に巨大だったリーマン・ブラザーズのアジア部門を買収することを正式に決めたのである。これは、とんでもないことなのである。三菱UFJがモルガン株を20%取得すれば、モルガンの業績が、三菱UFJの連結決算に計上されることになる。とんでもないことなのである。明治以来の悲願とでもいってもおかしくない話なのである。

 

 そう、日本は何もしてこなかったのである。何もしてこなかったから、逆によかったのである。アメリカの巨大金融企業が、自縄自縛で、勝手にこけてしまったのである。そして、何もしてこなかったから、損失がなかった日本の金融会社に、なんと、棚から牡丹餅のように、おいしい話が転がり込んだのである。三菱UFJ、野村ホールデングスの首脳陣は、この事態を狂喜のさたとして、喜んだはずである。もった湯のみをぱったりとおとし、小膝たたいて、にっこりと笑ったはずである。

 

 ある程度、時期がたてば、アメリカ市場も落ち着くはずである。そして、今回のサブプライムローンの問題で、誰が損をし、誰が得をしたか分かるはずである。昔、日本の金融機関を救ったのは、税金である。それがあるから、今の姿があるのである。いずれ、アメリカや欧州の金融市場からの利ざやが日本の金融機関に帰ってくる。そのときには、その利益の金を日本市場に還流してくれることを望むだけである。

 

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このページは、中野満が2008年9月24日 14:26に書いたブログ記事です。

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