洞爺湖サミットも不発に終わり、格差は拡大し、温暖化はすすむだろうか。

 自分を自分で理解することは難しい。個人でも家族でも企業でも地域でも国家でも、それ自身で自分が何であるのか分からない。他人から見て、初めてなるほどと分かるものである。鏡で自分の姿を写す。自分が映っているが、鏡の中の自分と己とは違う。左と右が逆転する。自分は右手を動かす。鏡の中の自分は、左手が動く。同じではない。自分の声を自分の耳で聞く。それと、自分の声を高性能のマイクで録音して、聞いてみる。他の人は、その人の声と、録音機のスピーカーから発するその人の声と、同じという。しかし、自分では同じとは普通は思えない。自分は自分を理解できないのが、やはり正しいのである。国家も同じである。それぞれが、自国のエゴを主張する。自国民の利益を最優先するからである。だから、CO2の削減の長期目標は、合意できても、その中間点の数値目標を中国やインドが同意するはずがない。もし、同意できたら、何かしらの抜け穴が存在している。

 

 温室効果ガスの排出量は、決まっている。今のまま放出し続ければ、温暖化はすすむのは間違いない。余分なエネルギーが無駄に排出しつづけ、それが、宇宙に放出されなければ、地球内部にたまるのは、当然である。現実に、地球全体の平均気温は上昇している。もちろん、エネルギーを排出しているのは、人間、そのものでもある。人口が増加すれば、それだけ、エネルギーが多く出るのは当然である。日本は少子化で、人口が減少していくが、発展途上国は、依然増加するはずである。命あるものは、命あるものとして尊重していく必要がある。なら、何かで、共存共栄を考える必要がある。

 

 未来のどこかで、すべては飽和する。どこかで、市場経済は、飽和して、終焉する。世の中は、エネルギーが高いところと低いところがあれば、必ず均質化する方向へ動く。宇宙は、そういうふうにエネルギーを下げるように、膨張している。いつか、この宇宙にも終わりがくる。それと同じように、格差が拡大していれば、そのもてる人は、自分の内部にエネルギーをためて、そして、自爆する。それが世の中の仕組みである。バブルは、必ず崩壊する。石油や穀物の先物相場は、どこかで、崩壊する。暴動が起きるはずである。秩序が乱れて、パニックになる。

 

 日本が、CO2削減で、大きな声を出して主張できるのは、日本に、エコロジー技術があるからである。逆に言えば、無駄なエネルギーを使わず、有効利用できる国だからである。しかし、中国やインドその他の工業化した発展途上国には、それだけの余裕はない。内部に巨大な格差と貧困をもっているため、なんとしても、経済成長を遂げる必要がある。エコロジー対策に投資できる体力はない。日本がいくら技術支援をしても、それに目を向けられるだけの余裕はない。いまは、安くていいものを、出来るだけ多く作り、労働市場を上げなければならない。全部の国がそうなれば、それで、世界の成長は終わる。市場経済の命はそこまでである。飽和したからである。

 

 人は、自分のことを最優先にする。自分の食べ物を人に与え、その結果、自分が餓死したら、人はなんというだろうか、それを美談だといえるだろうか。その人は、自分の信念を貫いたからそれでいいだろう、しかし、その家族はどうなるのだろうか、自分の食べ物を人に与える人はいないことはない、しかも、その結果自分が餓死するまで与えることをする人はもっといない。その人が死んだら、その人から食べ物をもらっていた人も直ぐに餓死する。それが現実である。

 

 やはり、正解は、自分の食べ物を、自分が餓死しない範囲で、人に与え、それを多くの人に伝えることである。そして、その数が増えれば、世の中は均質化するはずである。それが国家の再分配のやり方なのである。どこまで、それが出来るかなのである。格差は生じている。もてるものともてないものとの差が増えている。勝ち組と負け組みとの差が拡大している。

 

 あきらかに地球温暖化は加速している。中国もインドも、エネルギーを掛けて工業化し、経済成長を遂げている。もちろん、その過程で放出された無駄なエネルギーは、どこかで、使われることになる。それが、巨大台風や竜巻、集中豪雨等の形に化ける。それがゲリラ化し、多発化するだろう。そして、工場や農地を破壊する。そして、人的や物的損害は膨大になる。せっかく投資した金とエネルギーはこういう形で結末を迎えるはずである。

 

 たとえ、洞爺湖サミットでCO2削減での数値目標が合意できても合意できなくても、人類が生き残るためには、何かしらの合意はどこかで必ず必要になる。時間の問題である。このままの状態で、エネルギーを放出しつづければ、どうなるか想像はつく。人は、尻に火がつかなければ動かない。対岸の火事は、対岸の火事で、自分のところまで火がまわってくるとは考えない。自分のことは自分ではわからない。国家も分からない。だから、本気になって動かない。日本でも、格差がうまれている。そして、今年も昨年と同じように、最高気温が上昇し、体力のない高齢者の人が倒れるだろう。

 

 エネルギーを解放すれば、一気に乱れる。エネルギーが高くなればなるほど、乱れは強くなる。そして、エネルギーは必ず保存される。温室効果ガスで、そのエネルギーは内部にたまる。エネルギーとは温度である。北極の氷がとける。氷で封印されていたガスは、エネルギーを付与され、大気中に放出される。人間の欲望がエネルギーとなって、生態を狂わすことになる。一番必要なのは、人間の欲望のエネルギーをすこし抑えることなのである。自分は自分を理解しない。一人一人の欲望のエネルギーを自分では鎮めることはできないのである。

 

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このページは、中野満が2008年7月 8日 16:55に書いたブログ記事です。

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